俳句2(史跡巡り=白河市内)

いつも読んでいただきありがとうございます。
 前回俳句を始めたと書いた。その後、縁あ
って全4回の俳句教室に通うことになった。
2回目からの参加になるが、市内の史跡を見
て回り、そこで俳句を作るというものだった
ため、ワクワクしながら楽しみにして待って
いた。


 待ちに待った当日市役所の駐車場に、30人
程の俳人達(?)が集合し2台のバスに分乗
して、みんなでいよいよ史跡巡りに出発!


 3か所の史跡を廻る予定で、1つ目は白河
関(那須郡と白河郡=下野国と陸奥国の境に
設置された)跡を見て回った。奥州三古関
(念珠関=ねず関、勿来関)の一つで、奈良
時代から平安時代頃に使われていた国境の関
だった。


 その後律令制の衰退とともにその機能を失
ってしまったが、歌枕(和歌の名所)として
文学の世界で都人の憧れの地となり、能因、
西行、松尾芭蕉など時代を代表する歌人、俳
人達が多くの歌を残したそうだ。


 2つ目は関山を訪れた。その南麓の硯石地
区に磨崖三十三観音がある。安山岩に観音菩
薩や阿弥陀如来が彫られている。周辺にはた
わわに実った稲穂が黄金色に輝いていて、蜻
蛉が気持ち良さそうに飛んでいた。


 ここで、みんなで俳句を作ってみることに
なった。菩薩様を見ていて、こんな句が浮か
んできた。

 

 風薫る 菩薩の笑顔 優なでり

 

 先生に見てもらうと、「優なでりという日
本語はありますか」と聞かれ、「ありません」
と応えると、「なでるには優しくという意味
も込められているから、なでにけりとすれば
いいのではないですか」という助言を頂いた。

 

 風薫る 菩薩の笑顔 なでにけり

 

 俳句は言葉遊びだからこそ、言葉選びが大
切で、言葉を深く知ることなんだな~と感じ
た。


 3つ目は建鉾山に登った。建鉾山は古代に
祭祀が行なわれていた山で、表郷村三森にあ
る。実は母親がこの三森月桜の生まれですご
く近くに住んでいたため、子供の頃母の実家
に来ると、近所の子供達と建鉾山に登ったり、
槻木に行ったりしてよく遊んだ。
あれから40数年ぶりでここを訪れた。


 ここに日本武尊命(ヤマトタケルノミコト)
の伝説がある。日本武尊が東夷征伐の折、こ
の山頂に鉾を立てて都々古別神を奉祀した。
近くに槻木があって、夜半その槻木を見ると、
月光に映じて満開の桜に見えたいう。そこで、
この地に三森月夜桜の名がついたと(伝説の
ことなどまったく知らなかったなあ~)。

 

 建鉾山 武尊の桜 夢の秋  

 

 道中予定にないコンビニ休憩を申し出るお
じちゃん、おばちゃんパワーに圧倒されつつ、
半日皆で吟行を楽しめたのは、素晴らしい体
験になった。担当者の方々も時間に押されな
がらも、心配りが素晴らしかった。お疲れ様!


 天気に恵まれて建鉾山から眺める景色は、
絶景だった。青空と入道雲に包まれた三角錐
の関山と那須連峰を背景に黄金色の稲穂が、
眩しく輝いて揺れていた!たくさんの蜻蛉が
仲良くスイスイと風に吹かれて、目の前を流
れて行った!!