S55同窓会3

いつも読んでいただきありがとうございます。
 残された時間は60分!間に合うのか?そんな
焦りも感じながら、ワクワクドキドキしながら、
一人ひとりと言葉を交わしていった。そんな中、
ある一人の女神が目の前を通り過ぎて行った。
思わず駆け寄って声をかけた。
「Aさん、久し振り!元気だった?」

 スッと女神が振り返った。「熊谷君~!」
小学校の頃の、あのひまわりのような笑顔が、そ
こにあった。5~6年前に地元のスーパーで偶然
出会った時には、顔がやつれていた。親御さんの
具合が悪くて、見舞いに来たということだったが
・・。その後どうしたのかと、気になっていた。
今はふっくらとして健康な姿に戻っていたので、
安心した。お互いのごく近況を伝えて、その場を
離れた。

 暫くしてからそのA女神が、私の所に来て昔の話
しをしてくれた。「小学生の時私を助けてくれたよ
ね。熊谷君の家まで、行ったことがあったよね。覚
えてる?」

 「あったなあ~!」ふいに、43年前の記憶が蘇る。 
私の住んでいた狭くて古い長屋にある日突然、数人
のまだうら若き、か弱き女神達がなだれ込んできたこ
とは、ぼんやりとだが覚えている。しかし、どんなこ
とがあって、どう手助けしたのかは、忘れてしまった
(残念!)。

 会場は動きに溢れていて、見渡す限り笑いと笑顔で
いっぱいだった。そんな中、嬉しい言葉を伝えに来て
くれた女神の心根が、とっても嬉しかった!

 「今まで生きてきた中で最高に幸せ!ありがとう!
!心の中では、本当に感動してたんだよ」って伝えた
かったなあ~。
でも、おちゃらけた話をして、女神をからかって少し
怒らせてしまったんだけど・・・。ごめんね!

 忘れられない記憶がある。近所で幼馴染。誕生日が
一緒という友達がいた。ハンサムで運動神経がいい!
小さい頃からとっても優しくて、よく遊んでいた。
中学でも同じ俱楽部で一緒だった。この頃から男っぽ
さも増して、人気たるや絶頂で本当に良くモテた!

 3年生の時の誕生日の日だった。部活を終えて帰る
途中、女神達が血相を変えて向かってくるではないか!
一人、二人の話ではない。凄い数の集団で、みんな私の
前を通り過ぎて行く。あっけに取られて振り向くと、幼
馴染の友がいた。あっという間に彼は女神達に取り囲ま
れていた。彼はプレゼントの山に埋もれていた!

 「お~い、ここにも居るぞ、同じ誕生日の人間が!」
と叫んでみたが、虚しく校舎にコダマするばかりだった

 今回その幼馴染に会うことを楽しみにしてきた。(会
ったら、床上水泳競技で勝負を挑もう!)と心の中に闘
志を秘めて燃えていた。がしかし、実現することはなか
った。彼は来なかったのだ。会いたかったなあ~!

 こうして、二次会の終了のゴングが鳴り響いた。ほぼ
目標は達成できたと思う。満足はしている。本当に楽し
かった!ただ、今回は一人ひとりと深い話はできなかっ
た。次回会うときはもっとじっくりと話し合いたいなあ
!5年後が待ち遠しい。還暦祝いか。みんなまた会おう!
元気で!!
その時まで、髪の毛が持つかどうか?神のみぞ、知る!