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「トゥルルルル・・・」朝、確認の為に電話をしました。
患者さんで11年間もお付き合いをして頂いているAさんご夫婦がいらっしゃいます。数年前から共に認知症になり、お二人で暮らしています。お父さんの看病を長年ずっと一人でお母さんがされてきました。体の不自由な巨体のお父さんを体の不自由な小さなお母さんが、週に1度1時間位かけて車に乗せ治療院に連れて来てくれていました。治療を終えてお母さんが持ってきてくれたお菓子を食べながら、ゆっくりするのがとっても楽しかったです。「この時間がいいんだなあ!」、と言ってはよくお父さんは笑っていました。「あんたはいいけれど、私は大変よ!」、と言ってお母さんも笑います。こんな日が懐かしい思い出になってしまいました。
今は月に2度治療に訪問しています。ありがたいことに、うれしいことに、私のことを忘れずにいてくれています。「先生は丈夫でいいですねえ。先生はどんな物を食べているんですか?」、と聞かれるので、「僕は玄米ご飯を食べているんですよ。」と答えます。「だから丈夫なのねえ。でも、体は大切にするんですよ!」、といつもありがたいことに言ってくれます。思い遣りがあって、会話が楽しくて、いつもあっという間に時間が過ぎてしまいます。
ある日、「お母さん、29日(昭和の日)にこの近くのキクヤさんの隣で歌うから、聴きに来てください!」、と伝えたところ、「先生がでるんなら、聴きに行きますからね!忘れちゃうから、何かに書いとかなくちゃね。」、と言ってくれました。「また近くになったら、連絡しますからね。大丈夫ですよ」。「お父さん、お母さんをお連れしてもよろしいですか?」と尋ねると、「どうか連れて行ってやってください!」という返事が返ってきました。29日の二日前に治療をした時には、「お母さんも知っている友達のB君にお母さんを会場に連れて来てくれるように頼んであるから、何の心配もいらないからね。」、と伝えておきました。
そして、いよいよ当日がやってきました。電話には、誰も出てくれません。B君にも電話をしたところ、「10時に迎えに行くから大丈夫だよ!」、ということで一安心し、歌の準備に向かいました。B君は不定休で仕事が入れば、いつでも出勤して仕事をするというのが、日常です。ですから、なかなか予定が組めませんし、休みは本当に貴重です。それにもかかわらず、「もし俺が行けない時にはお袋に行ってもらうから大丈夫だよ」、と気持ちよく頼みをきいてくれました。
当日の会場は直射日光がバンバン当たる所で、ジッとしていても額に汗が吹き出す程の暑さでした。聴いて頂いている人達もとっても辛いだろうなあと思っていると、そこにお母さんとB君が到着しました。会場の椅子に座るや否や、B君が「日よけになるものを何か持ってくるから」と言って戻って行ってくれたのですが、あまりの暑さにちょっとした日陰に移動してしまいました。
お母さんは不安なのか「この近くに友達がいるから、呼んでこようかなあ?」、と周りを見回したりして落ち着かない様子です。しばらくしてB君がB君のお母さんを連れてきてくれました。お母さん達は昔からのお友達なので、B君のお母さんに会ってとってもうれしそうでした。落ち着きも取り戻したようで、ホッと安心しました!
そうこうしているうちに、歌う時間がきてしまいました。もうあとは気持ちを込めて歌うことだけです。歌っている最中に、お母さんやB君親子を見ていたら、胸が熱くなって泣きそうになりました。(みなさんの助けがあって、この今があるんだよなあ。みんな、一人じゃないよね!)B君、お母さん、B君のお母さん、ありがとうございます!感謝せずにはいられません!みなさんのお陰で、素晴らしい時間を共有できました。
あとで、B君にありがとうのメールを送ったところ、「お手伝いができて良かったです。また協力しますからね!」というメールが返ってきました。
しあわせです(感謝)!!
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